呪いをテーマにしたオムニバス形式のホラーコミック
本作は、実際に呪いや怨念にまつわる品々を収集・研究するオカルトコレクターとして知られる田中俊行が原作を手がけるホラーコミック。作画を担当するのは海谷ききで、両者のタッグによって生み出された第1巻がついに読者の手に届くこととなった。
タイトルの「贈呪は禁止されています」という言葉が示すように、呪いを「贈る」という行為を軸に据えた物語が展開されるとみられる。オムニバス形式を採用しているため、それぞれの短編が独立したホラー体験として完結しつつ、作品全体に通底するテーマが浮かび上がる構成になっていると予想される。
実在するオカルトコレクターが原作というリアリティ
この作品が持つ最大の強みは、田中俊行という人物の存在そのものにある。田中は実際に呪物や心霊グッズを収集・研究しており、その活動はテレビや書籍など多方面で注目を集めてきた。単なる創作上の怪談ではなく、実際の呪物収集の現場から生まれた知識や体験が原作の土台になっているという点は、他のホラーコミックにはない独自のリアリティを作品に与えている。
ホラー漫画の世界では、実話怪談をベースにした作品が根強い人気を誇るが、本作はその流れをさらに一歩進め、現役のオカルト研究者がコミックの原作者として直接関わるという形式を取っている。この組み合わせがどのような化学反応を生むのか、ホラーファンとしては見逃せない一冊だ。
作画の海谷ききがどのようなタッチでこの呪いの世界を視覚化しているかも気になるところで、今後の巻を追うごとにその世界観がより深まっていくことが期待される。続刊の情報や、田中俊行ならではの呪物エピソードがどこまでコミックに落とし込まれていくのか、続報を待ちたい。