介護の闇に踏み込む、三者三様のタッグ
本作は、原作を甚野博則、構成を鈴木マサカズ、作画を石津のぞみが担当するという分業体制で制作されている。タイトルの「ハイエナ」という言葉が示すとおり、介護業界に巣食う悪意や搾取の構造を正面から描く社会派サスペンスとして位置づけられている。
超高齢社会が進む日本において、介護をめぐる問題——財産の横領、劣悪な施設環境、家族間の軋轢、そして弱者を狙う詐欺的な業者の存在——は、もはや他人事ではないリアルな社会問題だ。本作はそうした「見えにくい闇」にスポットを当て、エンターテインメントとして昇華しようとする意欲作といえる。
くらげバンチという舞台が意味するもの
くらげバンチは、「ワンパンマン」や「波よ聞いてくれ」などを擁する新潮社のウェブマンガ誌で、社会的なテーマを扱う骨太な作品にも積極的な媒体だ。今回の「介護とハイエナ」も、その路線に合致した企画といえる。
甚野博則はシナリオや原作畑で実績を持つ書き手であり、鈴木マサカズが構成として加わることで、サスペンスとしての緊張感と読みやすさのバランスが期待できる。作画の石津のぞみがどのようなタッチで介護現場のリアルを描くかも、作品の印象を大きく左右するポイントになるだろう。
介護問題という題材は、マンガではまだ開拓の余地が大きい領域だ。「ハイエナ」と呼ばれる存在が具体的にどのような形で描かれるのか、そして主人公がどう立ち向かうのか——連載が進むにつれて全体像が明らかになるのが待ち遠しい。くらげバンチの公式サイトで第1話が公開されているので、気になる方はまず読んでみてほしい。