全11巻でメインストーリーに幕、エピローグ巻で青春を締めくくる
本作は2021年12月、ホビージャパンのHJBunkoレーベルからスタートした青春ラブコメディ。著者は天宮一輝、イラストは『Rebuild World』でも知られるGinが担当している。約3年半にわたって紡がれてきた物語が、第11巻でひとつの区切りを迎えた形だ。
第12巻はメインストーリーの続きではなく、キャラクターたちの高校3年生に焦点を当てたエピローグ巻として位置づけられており、2027年の発売が計画されている。本編完結後もしっかりと「その後」を描いてくれるのは、長く応援してきた読者にとってうれしい配慮といえる。
「強くてニューゲーム」×青春ラブコメという独自の魅力
タイトルにある「強くてニューゲーム」とは、ゲームをクリアした後に能力やアイテムを引き継いで最初からプレイできるモードのこと。本作はこの概念を青春に持ち込み、主人公・灰原くんが何らかの形で高校生活をやり直すという設定を軸に、ラブコメの王道を丁寧に積み重ねてきた作品だ。「やり直し」「ループ」といった要素はライトノベルでも人気の高いジャンルだが、本作はそこに青春の瑞々しさをしっかり乗せている点が支持を集めてきた理由のひとつだろう。
全11巻というボリュームは、現代のライトノベルとしては決して短くない。それだけキャラクターの関係性や心情の変化を丁寧に描いてきた証でもある。一方で、エピローグ巻の刊行が2027年と約2年後に設定されているのは少々待ち遠しいが、その分だけ丁寧に仕上げてくれると期待したい。
本編完結という節目を迎えた今、未読の方はシリーズを一気読みするのにも絶好のタイミング。そしてエピローグ巻の続報も、今後じっくり待ち続けたい。