伝説的アーティストの世界観がアニメに

映像作家・イラストレーターとして世界的な知名度を誇る天野喜孝の名を聞けば、アニメファンなら誰もが何かしらの作品を思い浮かべるはずだ。『エンジェルズ・エッグ』のアートディレクター、『吸血鬼ハンターD』や『怪 〜ayakashi〜』のオリジナルキャラクターデザイナー、そして『ファイナルファンタジーXI』のキャラクターデザインと、その活動領域は幅広い。そんな天野が手がけるアートプロジェクト「DEVA ZAN」を原作とした限定アニメシリーズ「ZAN」が、現在制作進行中であることが明らかになった。

公式発表によると、「ZAN」は天野によるオリジナルおよび新規制作アートワークと、表現力豊かな手描きアニメーションを融合させたダーク・ファンタジー叙事詩であり、ダイナミックなアクション、剣戟、そして視覚的に印象的な英雄たちを通じて時空を超えた物語が展開するという。「世界中の視聴者に向けたプレミアムなアニメ作品を届けるため、天野の芸術的ビジョンのもとにベテランアニメクリエイターたちが結集した」とも述べられており、その言葉通りのスタッフ陣が揃っている。

ベテランクリエイターが集結したスタッフ陣

本作のスタッフ陣は、まさに日本アニメの歴史を体現するような顔ぶれだ。アニメーションディレクターには池田成(『新機動戦記ガンダムW』オリジナル監督)と吉田徹(『合体ロボ アトランジャー』監督)が名を連ね、メインアニメーターにはアニメR創設者の谷口守泰が参加。シリーズ構成には『装甲騎兵ボトムズ』の生みの親である高橋良輔が担当し、脚本は『ファブル』シリーズ構成や『機動戦士ガンダム 水星の魔女』のSF考証で知られる高嶋良輔が手がける。さらにアートディレクターには『機動戦士ガンダム』のメカニカルデザイナー大河原邦男と、『魔法使いの夜明け』の背景美術監督西田稔が参加している。

実は「ZAN」のアニメ化は今回が初めての試みではない。2010年に天野自身が監督を務める映画『DEVA ZAN』の制作が報じられ、2012年春の公開が予定されていたことがあった。それから十数年を経て、ついに具体的な形となって動き出したという経緯を考えると、このプロジェクトにかけられた時間と熱量の重さが伝わってくる。

昭和・平成のアニメを支えてきたレジェンドたちが、天野喜孝という唯一無二の美術世界を舞台に集結するとはどういう作品になるのか——トレーラーが公開される7月3日が待ち遠しい。続報に注目していきたい。